177 / 256

第六章・10

 しゅん、と萎んでしまった玲は、苛めてやりたい可愛さを持っている。  その姿に、拓斗はいい事を思いついた。 「じゃあ、今すぐに払えるもので返していただこうじゃねえか」  玲にずいと擦り寄ると、拓斗はその細い肩に腕を回した。 「カ・ラ・ダ♪ 体で払ってもらおう」 「ええええッ!」 「それは名案だ」 「秋也!?」  全財産巻き上げられた上に、体まで要求されるとは!   玲は酷い二人に散々悪態をついた。 「馬鹿! 外道! 鬼畜!」 「口の悪い奴だなぁ。玲、お寝んねが済むまで俺たちには敬語を使え。OK?」 「敬語!?」 「敬語ですか、だろ」 「ヤだ! そんな羞恥プレイ、絶対イヤ!」 「じゃあ、3日後の給料全額払うか?」 「うッ……」

ともだちにシェアしよう!