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第六章・12

 ベッドに腰掛けた拓斗と秋也だが、それきり動かない。  いぶかしく思う玲に、にやけた声がかけられた。 「さて、どうして欲しいのかな?」 「どうって」 「これから寝るってのに、おべべ着たままじゃできねえだろ?」  やだ、と玲は震えた。  まさか、拓斗の言いたい事とは。  確かめてみるつもりもあって、口にしてみた。 「僕の服を脱がせて……ください」  いいだろう、とふんぞり返って拓斗は玲に手を伸ばしてきた。  あぁ、やっぱり。  これから全て、この調子で進むのだ。  二人の手が、どんどん服を剥いでゆく。  素裸に剥かれ、玲は身をすくめた。  口づけをしようと顔を近づけた秋也が、思い出したように意地悪を言う。 「それからどうして欲しいんだ」 「キス……して、ください」  いいだろう、と唇を合わせてくる秋也。  普段は優しいのに、こういう時だけ拓斗以上に意地悪になるのだ、秋也は。

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