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第六章・13

 それでも、秋也のキスはやっぱり優しかった。  唇を何度もついばみ、舌で歯茎をゆっくり舐めてくる。  咥内に入ってくると、上顎の裏の敏感な部分をくすぐるように軽く掃く。  拓斗の手は、キスで興奮し始めた玲の脇腹を両手で上下に撫でさすり、さらに昂ぶらせてくる。  じっくりと撫でられ、首筋を、耳をしゃぶられ、玲はついに声を漏らし始めた。 「ぅん、んっ。……あぁん」 「おい、誰が声出していいっつった」 「え」 「啼きたかったら、啼きたいですって言え」 「そんな」

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