180 / 256
第六章・13
それでも、秋也のキスはやっぱり優しかった。
唇を何度もついばみ、舌で歯茎をゆっくり舐めてくる。
咥内に入ってくると、上顎の裏の敏感な部分をくすぐるように軽く掃く。
拓斗の手は、キスで興奮し始めた玲の脇腹を両手で上下に撫でさすり、さらに昂ぶらせてくる。
じっくりと撫でられ、首筋を、耳をしゃぶられ、玲はついに声を漏らし始めた。
「ぅん、んっ。……あぁん」
「おい、誰が声出していいっつった」
「え」
「啼きたかったら、啼きたいですって言え」
「そんな」
ともだちにシェアしよう!