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第七章・3

 拓斗が加わっても、秋也は相変わらず甘いものを頼んでは残りを玲によこした。 「ねぇ、秋也。一体なぜ甘いものを毎日食べてるのかな? 何か悩みでもあるんじゃない?」 「いや、別に」  そんな事言ったってよ、と拓斗が合の手を入れる。 「どう考えても怪しいぜ、お前。何でまた急にケーキなんか食いやがる」 「……」  玲に心配はかけたくない。  だが、拓斗ならこの現状を打破する策を生み出してくれるかもしれない。  そう考えた秋也は、ようやく重い口を開いた。 「実は近いうちに、甘いものを食べる席に絶対出なくてはならなくなったんだ」 「何だそりゃ」

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