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第七章・7
約束の日、拓斗の部屋へ足を踏み入れた秋也は、ひやりと肌寒さを感じた。
今日はそれほど暑くもないのに、冷房が入れてあるのだろうか。
「よく来たな、待ってたぜ」
にやにやと、やたら嬉しそうな拓斗。
その隣に玲の姿が無い事に、秋也は、おや、と感じた。
先に来ているのかと思ったが。
「玲はまだか」
「玲なら、もうスタンバイしてるからよ。まぁ、奥へ入れ」
スタンバイ?
そう言えば先だって拓斗は玲に、協力しろと言っていた。
これは玲も自分のために骨を折ってくれるのかと心底感謝しながら、秋也は拓斗にいざなわれるまま部屋の奥へと足を進めた。
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