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第八章 新婚さん、いらっしゃい

 最近、玲の生活が乱れている、とは、秋也の意見だった。  二人で宅飲みしながら、ぼそりと言ったその言葉に、拓斗はすぐさま食いついてきた。 「性生活が乱れてる、だと!?」 「性生活じゃない! 生活だ!」  なんだつまんねえ、と乗り出した身を再びソファに埋める拓斗だ。  彼の発想に呆れながらも、秋也は話を続けた。 「昨日あいつの所に行ったんだが、缶詰を食べていた」  しかも缶のままだ、と秋也は嘆かわしいとでも言うようにうつむいて見せたが、拓斗は手をひらひらさせて酒を一口飲んだ。 「食うだけマシだ。俺が行った時は、飲まず食わずで寝ようとしてた」  むう、と秋也は唸った。  玲、どうしてこんなにだらしない生活を……。 「するな。春先は特に」 「するぜ。春眠暁を覚えず、とか何とか言って、家事を放り出してとにかくごろごろしてやがる」 「しかし、それを言うなら冬もじゃないか?」 「冬は寒いから、とか何とか言って、やっぱ家事放棄して布団の中に潜ってやがる」

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