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第八章・11

 きょとん、としている玲だが、拓斗にはピンときた。  新妻にかこつけて、すっかり億劫になってしまった家事を、玲にやらせよう、という作戦だ。 「いいな、それ。何すればいいかは、こっちから指示するからよ」 「そうだ。言われた通りに動けばいい」 「少しは手伝ってよね!?」  もちろん、と二人は首を縦に振った。  少々てこずったが、これで新妻・玲の誕生だ。  二人はいそいそと一度ドアから表に出ると、改まって入室した。

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