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第八章・14
「じゃあ次は~、何をやろうかな~。料理! 拓斗、食材買ってきてくれたでしょう」
そんな玲を微笑ましく感じながら、拓斗は秋也と同じことを言った。
「玲、急ぎ過ぎだ。その前に、やることあるだろ」
「まずは洗濯だ。太陽の昇っているうちに、だな」
そうか、と洗い場へ向かう玲を、二人の男は付けて回った。
なにせあられもない姿の玲が、腰を捻り、しゃがみ、伸びをするのだ。
チラチラと覗く柔肌が煽情的なことこの上ない。
「何で付いてくるの?」
「あ、いや。心配で」
「ノゾキがいたら、困るだろ」
そっか。こんな恰好だもんね、と玲は疑わない。
そのノゾキは、他でもないこの二人なのだが。
しかし、意外に頑張ってくれる玲だ。
これは幸先がいい、と秋也と拓斗は握手を交わした。
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