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第八章・17

「二人ともだらしないなぁ、もう疲れたの?」 「いや……」 「ちょっと刺激が強すぎてな……」  一人でできるもん、と玲は拓斗の持ち込んだ食材からジャガイモを取り出し、器用に皮をむき始めた。  そう、やればできるのだ。玲は。  玲の後ろ姿を拝みながら、秋也と拓斗は何とか立ち上がった。 「やはり、コレをしなくてはな」 「裸エプロンの、浪漫だからな」  まずは秋也が、玲を背後から抱きすくめた。 「玲……」  そのまま首筋に顔をうずめ、柔らかな髪の香りを思いきり吸う。  困惑していた玲だったが、秋也の気持ちが解かると、包丁を置いた。 「秋也、ごめん。お腹空いたから、お料理作ってからね」  軽くキスをし、後はジャガイモに向き直ってしまった。

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