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第八章・19
「拓斗。このブドウは皮ごと食べられるものか?」
「ん? ああ、種もないから食いやすいぜ」
ブドウを手にした秋也が、今一度玲とキスをした。
そして唇を離した彼の口に、そのブドウを一粒入れて見せたのだ。
「おいしい」
「それは良かった」
そして、再びキス。
唇を離すごとに、秋也は玲にブドウを食べさせた。
今度ばかりは秋也のやることが解からない玲だ。
ただキスは心地よく、ブドウは美味しかった。
されるがままにそんな事を繰り返していると、拓斗の声がした。
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