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第八章・29
時々、視界の外から椅子を床で擦る音がする。
(ヤだ。見られてる)
拓斗に見られながら秋也に犯される、というシチュエーションは、玲に恥じらいと共に倒錯した興奮をもたらしていた。
立っていようと頑張ってはいるが、どんどん力が抜けてゆく。
その分秋也の動きに翻弄されるので、体内のいたるところに彼の硬いものが当たるのだ。
「あっ、あん。んッ、はぁ、はぁ、あぁあ……ッ」
「いい子だ。感じるか?」
「すっごく、イイ。あッ、あッ、秋也ぁッ」
がたん、と椅子を蹴って拓斗が立ちあがった。
確かに先は譲ったが、こう見せつけられてはたまらない。
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