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Ju te Veux:05-7:魂を分け合って(R)
「ああ…、こんなに可愛らしい瀬川さんを今まで知らずにいたなんて、僕は人生のどれだけを損していたのでしょうか」
「だから、恥ずかしいことを言うなって……んんっ」
あちこちとキスしていた唇がまた胸に戻ってきた。きゅうっと先端を吸い上げられると、無意識に足の指を握りこんでしまう。それと同時に先程達ったばかりの瀬川自身がまたふるふると勃ち上がって、ゆるゆると頭を振る。
「うそだろ!?ど…して……!!」
自分の意思を裏切る情けないそいつに、瀬川は泣きそうになった。
「そんなに途惑わないでください。あなたが僕を好きな証拠ですよ。他の人にされても感じたことがないのに、今こんなになってしまうのは、それは相手が僕だからだって、そう自惚れさせてください」
「~~~っ!」
そんなふうに嬉しそうに微笑まれたら、何も言えなくなってしまうじゃないか。瀬川は湯島の顔を見て「もう!」と小さく白旗を揚げた。
「分かったよ、その通りだ!これは相手が湯島君だから!くそ……俺ほんとにいつもはこんなんじゃないんだからな!?」
「分かってます。そんなに僕を喜ばせないでください」
湯島はそう言って、とろけるように笑った。
それからもう1度胸をしゃぶると、サイドチェストからボトルを取り出す。
「湯島君……?」
「あなたと1つになるために、必要な物ですよ。温感タイプだからちょっとびっくりするかもしれませんが、舐めても大丈夫な物なので、安心してください」
「う…うん……」
そのボトルが何をする為の物なのか分からないほど初心 ではないが、やっぱりちょっと怖い。先程1つに重ねられた湯島の分身は、とてもあんな所に入れて良いような物ではなかった。
「……っ」
瀬川の強張ってしまった背中に気づいたのか、湯島は瀬川の頬に手を添わせて、そのまま髪を撫でてくれる。
「怖くないから大丈夫ですよ」
湯島は瀬川の唇を甘く啄みながら、とろりとした液体をまとわりつかせた指で、瀬川の後ろをくるりと撫でた。
「うわ…、あっつ……」
「ああ、馴れないとちょっと熱く感じますよね。すぐ馴れますけど……我慢できませんか?」
「大丈夫……。ちょっと驚いただけだ」
入り口────この場合、入り口で良いのか?────をくるくると撫でられて、ひどく落ち着かない気持ちになる。大丈夫だと頭では分かっているのに、思わず鳥肌が立ってしまった。
「知ってます?」
「何を…?」
指先でそこを辿ったりノックしたりつま先で引っかかれたり……湯島の爪はいつも短く綺麗に整えられているので痛いことはなかったが、そのたびに違う刺激に落ち着かなくなる。
「ここ、丁寧に時間さえかければ、握った拳くらいなら入っちゃうんですよ?」
「待て。それはどこ情報だ」
まさかそんなことを湯島が考えている訳じゃないだろうなと怯えながら突っ込みを入れると、湯島は真顔で「常識です」と切り返した。
「俺の常識と湯島君の常識は、かなり乖離 してる気がするんだけど!」
「そんなことはありません。怖がらせたくないからフィストファックなんて具体名は挙げませんが、普通にプレイしているマニアックな方々もいらっしゃいますし」
「いや具体名挙げちゃったから!それにマニアックな方々のプレイは普通じゃないから!!」
瀬川が焦って大きい声を出すと、その隙にするりと指が滑り込んできた。
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