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【デートプラン】4※

 貸し切り状態だった露天風呂で、その時さらに満点の星空へと美しく変貌していた天を仰いでいた由宇の横顔が、橘にはやけに清らかに見えた。  膝に乗せた華奢過ぎる体を悪戯してやろうという気も失せるほど、何度となく交わったはずの体を今汚してはならないと脳にストップをかけられ、らしくない我慢をしたのである。 「せん、せ……」 「なんだよ」 「な、なんか……今日、やさしい……」  ベッドに横たえた清浄な体にくまなく口付けていると、力無く甘い声が橘の欲を駆り立てた。 「いつも優しいだろ、ポメにだけは」 「あ……んっ……いや、今日は噛まない、から……」 「あぁ、やっぱ噛んでほしい?」 「ちがっ……んん、っ」  橘の仕込みの賜か、由宇は順調にソフトMの道を突き進んでいる。  今日の心持ち的に橘は優しく攻めたかったのだが、頬をピンクに染めたいやらしい我がペットは明らかに物足りなさそうだ。  それもこれも、橘が由宇をそういう風に染めてしまった。  ここで切り替えてやらなければ、せっかくの思い出がまた苦いもので上書きされてしまう。 不完全燃焼セックスをしたという汚点にも成り得る記憶を、由宇に植え付けたくない。  無論、橘自身もだ。 「いっ……! 痛っ、せんせ、……っ! やめっ……ぁあっ」  優しくチロチロと舐めていた耳たぶや乳首を、激痛手前で済むよう調節しながら噛んだ。  二人なりの愛撫で、体のいたる所に噛み跡を残すというものがあってそれを実行していくと、由宇の体が目に見えて火照り始めた。  突然いつもの調子に戻った橘の手付きも荒々しくなり、自身も由宇と同じく物足りなかった事を思い知る。 「よがり方が全然違うな」 「んあぁっ……いた、い……やだっ……せん、せ……っ」 「おら、俺跨いでケツこっちに向けろ」 「ふぁ……っ? んっ……」  腕を取って引っ張り上げ、橘の体を跨がせる。  反対向きに跨った由宇は、目の前で立派に勃ち上がった巨砲を当たり前の如く両手に握って、躊躇いなくペロペロと舐めた。  窄まった孔が、今か今かと触れられるのを待っている魅惑の光景を前にし、その上絶妙な口淫に橘の体もすぐさま反応してしまう。  覚えの早かった由宇は、今では時折橘が音を上げるほど口淫が上手くなった。  卑猥にお尻を突き上げ、じゅぽ、じゅぽ、と巨砲を味わう由宇はM気質溢れる奉仕を夢中で遂げる。  橘も負けじと濡れた指先で孔を拡げていたのだが、腰を揺らめかせて喘ぎながら、それでも必死で咥えている由宇が愛おしくてたまらなかった。 「飲めるか」 「……っ、ぅん……、のむ……っ……ちょうだい、」 「…………っ」  ───悔しいが、この快感の波に勝てる者は居ないはずだ。  迷わず「飲む、ちょうだい」と言い放つエロさに腰が震え、浮かせて突いてしまったばかりに由宇の喉まで巨砲が届いた。  しかし由宇は、少々先端が口蓋垂に届こうがえずかなかった。  橘の当初の予定通り、彼はいつの間にか喉まで咥えられるようになっていたのである。

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