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序章 竹
神通師。それは神の力を授かり、陰と陽の均衡を保つ番人である。
かの有名な織田信長もその神通師の1人であった。
あの悪名高い暴君、織田信長。
そんな信長には森蘭丸もりらんまるという小姓がいた。彼もまた神通師であった。彼は17歳という若さにして、信長の小姓となり、秀でた才能を世に知らしめた。神通術、文学、天文、剣術、馬術、弓。全てにおいて彼の右に出るものはいなかった。
活発で誰にでも平等に接する少年だったため多くの人々から好かれた。
彼は美少年であった。男女問わず、彼を見たものは誰もが心を奪われた。あの暴君、織田信長さえ彼の魅力に溺れていたと噂されていた。
しかし、蘭丸の人生は18歳で幕を閉じることになる。
【本能寺の変】
信長の部下である明智光秀の謀反により、蘭丸は主人と共に本能寺で息絶えたのだ。
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