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第7話

「名前がないんじゃ、君を呼ぶこともできない。」 そう言うと、ブラウは少し考える素振りをした後に、パッとこちらを見て瞳を輝かせた。 「じゃぁ、僕に君の名前を考えさせて!きっと素晴らしい名前を考えるから、ちょっと待っててね!!」 あまりにもはしゃいだ様子で話すので、気圧されて頷く。 ブラウはその様子に満足したのか、また後で来ると言い残して他のベッドへ行ってしまった。 綺麗な輝く青い瞳の人は嵐のようだったと独り言ちた。 それから、自分の体の事を把握する為にあらゆる所に力を入れる。 左腕、右腕、左足、右足、胴体。 あらゆる所が痛むが、特に痛いのは脇腹と右足。まだ気力で耐えられる程度だ。 まだ戦える。体が動かないと言う事は死を意味する。痛みはいつか消えて無くなる。動けば問題はない。 ふと、この穏やかな中で生きることは出来ないのかと考えたが、何も想像ができなかった。 ズキンと頭痛がした。 ベッドに深く沈み、外の音に耳を澄ませる。様々な鳥の声や木々の揺れる音。微かに子どものはしゃぎ声も聞こえる気がする。とても穏やかだった。こんなにも穏やかなのは初めてかもしれないと思う一方で、奥の方から低い地鳴りのような音が聞こえてきた。体中から力が抜け、目蓋が自然と落ちる。 地鳴りの音は確かに聞こえてきた。

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