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第15話

その残酷な宣告は、唐突だった。 眩しさに目を覚ますと、昨日とは打って変わって、とても陽気の良い晴天だった。雨上がりだからか、どこか空気の澄んだ気配がする。こんなに清々しい目覚めはいつぶりだろうと考えてみたが、心当たりがない。兎に角、とても気分が良かった。 毎朝恒例の検査を終え、忙しく行き交う人たちを見ている時に、どこか緊張した面持ちのディットが片手を上げながらベットの間を縫うように近づいてきた。 「よぉ、調子はどうだ?」 「とても気分がいい。左足が少し熱いけど、痛くはない。」 俺の返事に、小さく頷きながら「そうか。」と呟いたディットの眉間に皺が寄った。 こんなに、気分がいいのに、どうしてそんなに難しい顔をするのか不思議だ。なにか、良くない事でも起きるのだろうか。 「…左足のどこが熱い?」 「感覚が鈍くてよく分からないけど、たぶん膝から下」 「…落ち着いて聞け。それはたぶん、気のせいだ」 言っている意味が分からない。確かに熱を帯びてるのに、何が気のせいなのか。なにか嫌な予感がする。こういう予感は大体当たることを、経験上知っている。 「…お前の左足の膝から下は、」 そう言って、言いにくそうに間を空けるディット。なんだか、とても聞きたくない。どうして、そんなに深刻な顔をしているの。 「お前の膝から下は、もう無いんだ」

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