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第2話

入学し1ヶ月経ち学校にも慣れつつあり、友達ができるか不安であったが直ぐに出来た。そんな中で1番仲良くしているのは双子の兄妹・兄の姫路蓮(ひめじれん)とその妹の(りん)だった。最初の席替えの際、前後に兄妹に挟まれそこから仲良くなったのだ。兄には小谷木と呼ばれ妹にはゆーちゃんと呼ばれている。 二卵生だがやはり双子なので顔が似ている。そして二人も優より1つ分背が高く綺麗な顔をしていた。 (神様は平等に二物を与えてくださいよ) 有難いことに友達がすぐ出来た理由として本当は思い出したくない程そして感謝したくない程ではあるが入学式の日の出来事がきっかけである。そして優は学校の中で注目の的になっていた。 「こーやぎちゃん」 そう、それはこの元凶の元。朝風礼生(あさかぜれお)だ。あの1ヶ月前の入学式の時に公開告白をし変態じみた真似を他生徒の前でしなければ注目もされず平々凡々と過ごせた筈だ。 そしていくつもあるクラス中で何故か朝風と同じクラスという。もうひとつ同じ寮生活をしていること。 出身は日本ではあるが、直ぐにイタリアへ行った為高校上がるまではイタリアに住んでいたらしい。何故日本に来たのかまでは聞いたこともないので解らないし話したくない。 「・・・」 「小谷木、呼ばれてるぜ」 「運命の人に」 (ぐっ!またか、この兄妹は〜!) いつも双子にこのネタで弄られる。たまにタチの悪い双子で面白がっている。 無視を決め込んでスマホを弄っているとふと耳朶に指の温もりと声が近くで聞こえ手元のスマホは音を立て机に落ちる。 「耳も可愛いね」 「んひっ・・・!」 (何がしたいだよ、こいつは!) 同時に耳と口を押さえて朝風と距離を取り凛の後ろに隠れると庇うようにしてくれる。 「ゆーちゃんは暫くそこに居なさい。れーちゃんはなんか用事?伝言してあげるよ」 「振り向いてくれないから、つい。こんなかっこいい僕が目の前にいるのにね。今日も可愛いね、こやぎちゃん」 「なんだその自信。お前やっぱり残念なイケメンだな」 「れーちゃんは変態で変人」 隠れつつも二人の意見に同意の意味で頷いた。朝風はありがとうとお礼を言うが蓮と凛は口を揃えて褒めてないと言い返す。何故かここもウマがあっていていつの間にかよく会話をしていた。ただそれをじっと見ていたい。 「ああ、それで今日バスケの助っ人頼まれたんだ。だけどあと2,3人欲しいと先輩に言われてね、3人とも今日どうかな?」 「俺と小谷木はいいけど、凛どうする?」 「わたしはパス!応援してる」 普段は関わりはしないが運動会する時だけは朝風と相性がよく、こうして部活の助っ人や運動して過ごしている。けど優は姫路兄妹が居ないと参加はしない。1人だと朝風が何をしてくるかわからないので2人のどちらかが出れば安心だ。 そして何故部活の入ってなく入学して間もない優達を先輩達が誘ってくれるのはあの噂が広まって間もない時1年生クラス合同体育があった。種目はバスケ。チーム分けは男女別クラス事で行なうため必然的に蓮、朝風と一緒になるので心の中で朝風と一緒で気分が沈んだがスポーツが出来るならと意気込んだ。元々姫路兄妹は小さい頃からバスケをしていたらしくボール捌きが感動するほど上手かった。 朝風も優と同じくスポーツ全般得意で身のこなしが半端なくそして3人のチームプレーにより優勝した。その中に今話題の2人という事もあり1年生のみならず先輩方の耳にも届きこうして何かと誘ってくれるようになったのだ。 (姫路兄妹はまあ分かるとして何故朝風まで何でも出来んだよ〜。気に食わねえ) 性格は置いといて顔よし頭よしと運度神経抜群とかハイスペックすぎる。あとは親がイタリアでホテル経営していると噂に聞いたことがあった。日本にもあるらしいと女子達がが言っていた。

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