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第19話

上手く立ち回るのもかなりの能力が必要のようだが、俺は要領が良いみたいだ。 「とか思ってんだろ」 「は?」 期末テストも終わり賑やかを取り戻した日常を迎えたとある放課後、教室で椅子に出すそうに座りスマホを弄っている姫路兄、蓮と日誌を書いていた優は顔を上げた。 「お前エスパー?」 「アホ」 俺の行動におかしい所はなかったと思う。自然だったはずだ。何故だ。 「小谷木さんよ〜今までの行動思い返して見ろよ。朝風が話しかけたら話そらすわ、先にいるのを見かけたら会わないように隠れてたり、女たかってればちらちら見てるわ、どこが上手いんだよ、忍者にでもなったつもりかよ、下手かアホかバカか」 「さっきから悪口多いな!」 話しかけておいてうるさいと足らうが蓮はスマホをしまい暇だから聞いてやるよと言ってきた。 暇なら帰ればいいものだが、蓮は態度には出さないが周りに興味なさそうに見えてもよく周りを見ているタイプでどうも友情想いのやつだ。 「・・・俺もわかんねぇんだよ。なんか、こうザワザワする、気がしなくもない」 「ふーん。あとは?」 他と言っても思い出すのは朝風が盛られた日のことだ。心配になりかけつければ最終的に手を出されてしまった。そしてお互いそのことは忘れようと関係はそのままで良いと約束したのに先週の自分の行動がなんだったのかと考えてしまう。そんなことを静かな教室でぽつりぽつりと蓮に話した。 「へぇ〜もうお手つきか」 「最後までしてないし」 「小谷木が男のセックス知ってんだ。やらし〜」 「そ、それはあいつがそう言ってただけだし!やり方なんて知らないから!」 気になって調べようとしたけど、背筋が見立つように震え恐ろしくて指が止まりやめた。 女の子との付き合いもまだなのにそれを調べてたら虚しすぎる。 「めんどくせぇな、お前。今更だろうが。入学早々告白されて嫌々言いながらあいつの事よく見てんじゃん。気になってんじゃん」 「そ、それは、あいつと鉢合わせないようにしようと見てただけだ!気になってない!入学式の事なかったら俺の高校生活は平和だった!」 「僕は君の為に生まれてきたんだ。これは運命だ。食べてもいいかい?・・・はははっ!」 「面白がるな!!」 弄るのは仕方なく確かにあんな恥ずかしい言葉を恥ずかしがることも無く言えるのは朝風しか出来ないと思う。普通なら引かれても仕方ないのだがあの顔だから逆に「胸きゅん」とやらになると周りの女子が言っていた。 「こんな平々凡々な運動だけが取り柄男の何が良いんだかわからん」 「それは自分でも思ってたけど他人に言われるとムカつくな」 蓮に言われなくてもずっと疑問に思っていた事で朝風に自分が何がいいのか考えた所で本人しか知らないのだ。 「それは秘密だよ」 「何が秘密だ…あ?」 振り向くと今1番会いたくない奴が背後に立っていて驚いた末に身体が机に体当たりするようにガタリと倒れた。

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