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第18話

「だから撃ったのか?」  自分が庇わなければ銃弾は白鳥に当たっていたはずだ。急所を逸らして撃ったとはいえ、一歩間違えれば白鳥と自分の命の保証はどこにもなかった。どんな理由があるにせよ、超えてはいけないラインを侵した瑛士にそれを分からせなければならない。 「……そうだ。だって、清高が、アキのこと、大切そうに……」 「そうか」  撃った後、泣きそうな顔をしていた瑛士を思い出しながら、力の抜けたその体を、膝の上へと持ち上げた。 「お前に……二度と他人は傷つけさせない」  正面から瞳を見据え、清高は低く言い放つ。  それは、瑛士の全てを受け入れることを決意しての言葉だったが、今の彼に、どこまで理解できているのかは分からなかった。 「あっ……や」  腰を抱き、そそり立つ己のペニスの上へ、瑛士のアナルをあてがうと……期待するようにそこがヒクヒクと開閉するのが伝わってくる。 「欲しい?」  意地悪な質問なのは百も承知していたが、耳朶を噛んで囁きかければ、「……欲しい」と掠れた声が聞こえた。 「まさか、こんなことになるとはな」  生まれて初めて〝守りたい〟と思った頃の、あどけない姿が脳裏を掠めて背徳的な気持ちに支配されるけど、例え嫌だと言われたとしても己の獣が収まらない。 「あ……ひっ、あぅっ!」  雁の部分だけ挿入し、そこから一気に体を落とせば、よほど気持ちがよかったのだろう、甲高い声を上げた瑛士の体がビクビクと痙攣した。 「やだっ、そこ……やめっ」  空で達した瑛士のペニスに挿さったままのブジーを掴み、緩いリズムで突き上げながら尿道までをも犯してやる。すると、たぶん無意識なのだろう……必死といった様子で腕をこちらへ伸ばしてきた瑛士が、縋りつくように清高の背中へ爪を立て、「ゆるして」と小さな声で喘ぐように囁いた。 *** 「……ちくしょう」  薄闇の中一人吐き捨てるが、答える者は存在しない。  頭に残る光景がすべて夢であればよかったのだが、そうでないことは体を蝕む鈍い痛みが訴えてきた。 (なんだってんだ)  手足の拘束が解かれているのは瞬時に理解できたのだが、背中に感じる熱の正体を確かめることが瑛士にはできない。

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