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第20話

「別に言い訳なんかしなくても、ずっとここにいればいい。それに、逃げようとしても捕まえてやるから安心しろ」  腰を抱く手に力が籠もり、「素直になれ」と囁かれるけれど、余裕ありげなその物腰が瑛士にとっては気に入らなかった。 「子供扱いすんじゃねえ」  痛む体を翻し、胸倉へと掴みかかる。  ポーカーフェイスを崩してやろうと噛みつくようなキスを仕掛けるが、唇同士が触れた瞬間……今度は自分がベッドの上へと簡単に押し倒された。悔しいことに、昨日散々嬲られたせいで力が上手く入らない。 「熱烈だな。まさか、お前からキスしてくれるとは思わなかった」 「なっ……ん、んぅっ」  憎まれ口を叩く間もなく唇を深く塞がれた。ねっとりと歯茎をなぞり、歯の隙間をこじ開けるように入り込んできた彼の舌先を、噛んでやろうとも思ったが、それをできやしない事は、自分自身、痛いくらいに分かっている。  だが、瑛士はうぶな小娘ではない。主導権を取られてばかりいるのは主義に反するから、せめてもの意地で舌を吸い、それをクチュクチュと絡めて吸えば、至近距離にある彼の双眸が驚いたように眇められた。 「ん……ふっ」  仕返しとばかりにペニスを掴まれ、瑛士は体を仰け反らせる。情けないことにキスひとつだけで、そこは膨れ上がっていた。 「ふ……ぐ、うぅ……ん」  負けるものかと彼の下肢へと手を伸ばし、想像どおり猛ったペニスを掴んでそれを扱こうとするが、寸でのところで唇が離れ、「しなくていい」と嗜められる。 「子供扱いはしてない。だって、子供には……こんなこと、しないだろう?」  そう告げてきた清高の頬が、わずかに上気しているのを見て、彼から表情を引き出せたことに少しだけ溜飲が下った。 「どうせなら、お前の中でイきたい」  艶を帯びた、掠れた声に、臍の奥がズクリと疼いた。 「いいぜ。来いよ」  舌で唇を舐めてから、唇の端を綺麗上げて瑛士は答える。すると、「じゃあ遠慮なく」の声が聞こえ、その言葉通り瑛士の両脚を肩へと担ぎ上げた清高が、猛ったペニスで綻んだままのアナルをゆっくり貫いてきた。  まだ幼かった中学時代、見知らぬ男に初めて体を拓かれた時は、死んだ方がマシと思うほどの痛みと心の傷を負った。なのに、今は体が震えるくらいの悦びを感じている。

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