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第21話

「あっ……くぅっ」  前立腺を緩く擦られ、たまらずあえかな声が上がった。これまで仕事で抱いた相手を、『淫乱』などと言葉汚く罵ったことが、恥ずかしくさえ思えてくる。 「ん、ふぅっ……く、うぅっ!」  律動は徐々に激しさを増し、最奥を強く穿たれた刹那、射精できると思ったところで、ペニスの根本を強く掴まれて瑛士は体を戦慄かせた。 「や、なにする……」 「ここにいろ。俺の傍に……そうじゃないと危なっかしくてたまらない」 「あっ、そこ……やめろ」  痛みの残る尿道口を、拓くように親指で擦られ、自然と腰が揺れてしまう。そんな脅迫に屈する訳にはいかないと思い首を振ると、清高は、困ったように眉根を寄せながら溜息をつき、サイドボードへと腕を伸ばして見覚えのある銀色の棒を手に取った。  そして―― 「っ……いぃっ」  狭い尿道を戸惑いも無くこじ開ける冷えた感触に、瑛士は体を震わせるけれど痛みはあまり感じない。そればかりか、「この辺か」と、呟いた彼が中の一点をつついた刹那……頭の中が白くなるほどの愉悦が背筋を這いあがった。    手も足も戒められていないのに、瑛士が抵抗したりしないのは、ブジーを持った清高が放った『なら、賭けをしよう』という誘いへと安易に乗ってしまったからだ。  賭けの内容は瑛士がこのまま三十分、射精を清高に強請らなければ解放するというもので……勝算アリと踏んだわけだが、すぐに己の考えの甘さを心から呪うこととなる。 「ひっ……あっ、あうぅ」  アナルと尿道の二方向から同時に前立腺を押され、痙攣した瑛士の口から悲鳴に近い嬌声があがった。 「まだ十分も経ってない」  クルクルとブジーを回しながら、清高がそんなことを言うが、口を開けば強請ってしまいそうになるから、唇を噛んでやり過ごす。すると、一旦動きを止めた清高が瑛士の額へキスをして、「強情だな」と愉しそうに微笑んでから、今度はアナルの深い場所を長いストロークで突いてきた。

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