5 / 32

第5話

 機器室は、今はもう使われていない教室だ。  埃を被った旧式のパソコンが、ずらりと並んで眠っている。  そんな中、夕日を背にして立つ人影に、秀は息を呑んだ。 「大原くん!?」  同じクラスの、大原 祐太朗(おおはら ゆうたろう)の姿がそこにはあった。  大柄だが物静かで、人を脅すような性格ではないと思っていたのに!? 「来たか、戸川」  手紙は読んだな、と祐太朗は念を押してきた。 「う、うん」 「じゃあ、次はこれを読んでくれ」  祐太朗の手には、前回と同じ白い封書がある。

ともだちにシェアしよう!