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第6話

「何で? 口で言えばいいじゃないか」 「それは、ちょっと。恥ずかしい」  いぶかしく思いながら、秀は手紙を開けた。  そこに書いてあった文は。 『俺と、寝てくれ』 「……!?」  振り向いた秀の眼には、夕日と同じくらい赤くなった祐太朗の顔があった。 「安心しろ。吉牟田と別れて俺と付き合え、なんてことじゃない」 「で、でも! これ!」 「吉牟田と付き合ってること、皆にばらされてもいいのか?」  秀は、固く瞼を閉じた。  やっぱり秘密って、そのことだったんだ!

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