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第7話

 ちらりと伺った祐太朗の表情は、真面目そのものだ。  まるで、掃除時間に床を履いている時と全く同じだ。 「俺はお前の身体だけが目当てだ。好きとかそういう面倒なことは言わないから」  淡々と、結構失礼なことを抜かす祐太朗だ。  でも、その方がましかもしれない。  後に尾を引くより、一度寝て満足してもらった方がましかもしれない。 (そうすれば、靖との仲も引き裂かれずに済む)  腹をくくってしまえば、楽だった。 「解ったよ」 「そう来なくちゃな」  今からここで、という祐太朗の要求には再び驚かされたが、確かにこの教室なら誰も来ないだろう。

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