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第14話

 家まで送ろうか、という祐太朗の好意を断り、秀はひとりで帰宅した。  自分の部屋でベッドに転がり、放課後の情事を思い返していた。  武骨に見えて、繊細だった祐太朗のセックス。  途中途中で見せた、細やかな気配りや優しさも嬉しかった。 「いや、冗談じゃない」  僕は、無理やり犯されたんだ。  それを忘れちゃ、ダメだ。  強盗が静かに金品を奪っていっても、それは褒められた事じゃないだろう。 「でも……」  あんなに燃えたのは、初めて。  あんなに気持ち悦かったのは、初めて。  そんな事実に悶えながら、秀は疲れでいつしか眠ってしまった。

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