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第16話

(何だろ。またエッチしたい、とか言うんじゃ……)  しかし、秀の予想に反して内容はいたって健全なものだった。 『昼休み、一緒に学食へ飯食いに行かないか?』  一緒にランチくらいなら、浮気にはならないだろう。  秀は窓辺にもたれている祐太朗の元へ、歩いた。 「別にいいけど」 「そうか」 「でも、どうしていちいち手紙でお伺いを立てるのさ」 「恥ずかしいだろ」 「そう?」  見かけによらず、繊細な祐太朗だ。  秀は昼、彼の勧めるサバの竜田揚げ定食を頼んだ。  それは、素敵に美味しかった。

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