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第27話

 はぁはぁと、荒い息を整えながら、秀は祐太朗に訊ねてみた。 「もし僕が、フリーだったら。大原くん、付き合う?」 「ああ」 「そっか」 「そうだ」  好きだからな、と呟いた祐太朗の言葉に、秀は背中を押された。 「フリーになったら、教えるよ」 「無理するなよ」  ああ、ここでも僕を気遣ってくれる。  秀は、祐太朗に肌を摺り寄せた。  彼と、またこうやって身を寄せ合いたい。  温かな日常を、熱いひとときを送りたい。  けれど、そうするには……。  きゅっ、と唇を結んで、秀は瞼を閉じた。

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