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第28話

「秀、放課後寄り道するぜ」  朝、靖が突然切り出してきた。 「また、ライブ?」 「うん。行くだろ」  すでに靖の心は放課後に飛んでいるらしく、鼻歌など歌っている。  秀が同行することも、彼にとっては決定済みだ。 「嫌だ。今日は、カフェに寄ってお茶したい」  マジか? と靖はとたんに機嫌を損ねた。 「何でだよ。いつもは大人しく言うこと聞くクセに」 「僕だって、靖に付き合って欲しい時があるんだ」  お願い、靖。  カフェに行く、って言って。  でないと、僕……!

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