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第30話

 席に戻り、机を探ってみる。  この涙を止めるのは、これしかないんだ。  あった。  白い手紙が。 『放課後、お茶に付き合ってくれないか』  大原くん。  僕が今、必要としている人。  窓辺の彼の元へ、歩いて行った。 「どうかしたのか」  少し涙目の秀を、祐太朗は驚いているようだった。 「行こう、放課後。お茶、飲みに行こう」 「さっき、吉牟田が来てたみたいだけど?」 「うん。……別れちゃった」

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