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第4話
叶を死角にしているから、俺が退かない限り行為は見えない。
逆にその行為は見えないが、電車内には違いない。
表情や声は見え、丸聞こえだ。
気付かれたくなければ平然を装わなければならない。
快感に弱い叶は何処までガマン出来るか、俺としてはかなり危ないイタズラだ。
気付かれれば羞恥のダメージは叶が大きくなる。
でも、それはそれで楽しい。
「っ……」
俺は叶のパンティをさっき下ろしたときよりも下げた。
「今度汚したら、替えはないからね?」
これは言い訳。
パンティはスカートよりも下に下がった今この状態が他の乗客に見付かったらかなりの羞恥だし、『こんなことしてる叶と俺を見てほしい』と心の何処かで思ってるのかもしれない。
俺は……とんでもない『変態』だった。
今度は尻の割れ目をなぞり、アナルに到達した俺の右の指は、出入口をグリグリと弄った。
「うぁ、……ンぅ」
「どした、叶?」
小声で会話してるカップルを装うと、叶は俺を見つめてきた。
きっと睨んでるんだろうけど、いつもと同様に迫力はない。
アナルの出入口に中指を少しだけ挿入れた。
「ぁん……」
叶の息がかなり上がってきた。
……いつもセックスするときよりも敏感に反応してる。
アナルの中の伸縮が半端じゃない。
これなら痛くないだろう、俺は指を引き抜いた。
そしてこっそりと制服ズボンのファスナーを下げた。
「っ……せンぱぃ!!さすがにこのさきは、だめです」
「えー、それズルくない?今度は俺がキモチよくなる番デショ」
小声で会話している叶と俺は、フツーにリア充だと思われているんだろうね。
少し離れた都立の学生が『あ、リア充だ』『ホント爆発しろ』と話してるのが聞こえた。
「今『爆発しろ』って言われたから、俺も爆発したくなった」
「へりくつ……っれす!!」
叶の声が裏返ったのは、俺のぺニスが叶のアナルの中に挿入ったからだ。
「っ……ぁぁ、あ」
「具合が悪いなら寄りかかって?」
具合はサイコーです。
キミの中はいつもより遥かに締まって、俺を歓迎してくれていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
『男』同士のセックスは危険を伴う変わり、アナルに程よい筋肉がついているためキモチイイ。
いつか調べたPCの内容別通りだと思った。
叶はスリルのあるセックスが好きらしい、反応はいつも以上に良かった。
でも困ったことがあった。
満員電車過ぎて、変に腰を動かしたら。
速攻バレるだろう。
「ねぇ、叶」
「……ンっ、はぃ」
「俺は動けないから、叶が動いてくれないかな?」
「え?!むっむりれすぅ」
そのとき電車は大きな音を立てて急ブレーキをかけた。
「ゎあ……、ひぁっ」
「叶!!」
叶はバランスを崩しかけたので、咄嗟に俺に引き寄せた。
……のがいけなかった。
「ああっンぅ!!」
叶は盛大な声を上げてくれた。
ようするに、少し強い快感に感じて、イってしまわれたのである。
キモチイイ締まりに俺も次の瞬間にイってた。
モチロン俺は声なんて上げなかったけど、可愛くて艶っぽい喘ぎ声をあげてくれた叶は、一斉に視線を浴びた。
「あっああああああの、ちが……」
このままだと叶が居心地悪く終わると思った俺は、苦笑いで叶を抱き締めて、
「何もビックリしたからって、そんな悲鳴上げることないデショ?」
『俺がビックリしたよ』とフォローすると、乗客の視線は『叶』でなく、『俺と叶』になった。
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