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第10話
「なかなか見つからねぇな」
「……」
もう3時間は、こうやって探している。
大林を心配する寿の気持ちを、四つ葉を早く見つけねばと焦る寿の気持ちを、少しでも和らげよう。
そう思って光一は時々こんな風に話しかけていたが、寿にはそれすら耳に入らないのか返事をすることはなかった。
(ちッ。大林のことで、頭ン中いっぱいかよ)
まぁ、それだけ寿は必死なんだな、と自分も気を入れなおして、目の前に広がる無数のクローバーの葉を丹念に探る。
そうしながらも、大林の身を案じる寿の身を、案じていた。
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