24 / 32
第24話
大林は、病室で横になっていた
眠りは浅く、体が重い。
どんな格好になっても、痛みが走る。
「この若さで、椎間板ヘルニアだなんて」
憂鬱な気分の中、ふとノックの音が聞こえてきた。
ドアが開かれ病室に入って来たのは、担任を持っていた前園だ。
寿は喜び勇んで、大林へ四つ葉のクローバーを手渡した。
「珍しいので! 葉が4枚ですから! 幸せで、すぐにお体の具合も良くなりますから!」
珍しいのは前園ではないか、と大林は薄く口元を緩めた。
いつも穏やかで、きちんと筋道を立てて話す前園が、こんなにも支離滅裂にまくし立ててくるとは。
寿から受け取った、四つ葉のクローバー。
手にして、幸せな想いの数々を大林は寿から受け取った。
ともだちにシェアしよう!