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第26話
「四つ葉のクローバー、か。良く出来たものだな。この4枚の葉。2枚が前園で、2枚が友利か」
笑顔を見せた大林に、寿は喜んだ。
だが、次の瞬間ひどく驚くこととなった。
ぱくり
もぐもぐもぐ、と四つ葉のクローバーをおもむろに食べてしまった大林先生!
「先生! 野草を、生で食べてしまうなんて! お腹を壊したらどうするんです!?」
まるで気にすることなく、大林は寿の肩に優しく手を乗せた。
「二人の想い、確かに受け取ったよ。ありがとう」
どんな薬より効くに違いない、と笑う大林に、寿の顔もぱあっと晴れた。
大林先生は、やはり素敵な人だ、と感動していた。
常人ならば後生大事に手元から離さないような縁起物を、いともたやすく食べて失くしてしまうなんて!
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