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 ようやく店の裏に辿り着いた頃には、もはや達してしまったのではないかと思うほど下着が粘液を吸って、ぐしょぐしょに濡れそぼっていた。苦しいほどに熱を持つ自身が、解放されるのを待ちわびている。  刺激を与えないように細心の注意を払いながら、戸田がゆっくりと俺の体を地面に降ろす。そして、俺を股の間に座らせるようにして俺の背後に腰を落とした。  委員長は少し距離を置いてはいるが、赤面したまま此方をチラチラと見ている。 「ズボン、下げるよ?」 「っん……」  こくり、と小さく頷けば、ベルトを外され、ズボンの前が寛げられる。現れたボクサーパンツは、勃ち上がった自身によって膨らんでおり、既に大きな範囲で色が変わっていた。自身に圧されている山の頂点には、滲み出した粘液による泡も確認できる。 「出すよ」 「っあぁ!」  ぐい、と下着の前面を下げられた瞬間、布が自身に擦れて、突然の刺激に甲高い声が喉をついて出た。思わず背後にいる戸田の肩に顔を埋め、恐る恐る視線だけを自分の下半身に向ける。姿を表したそれは痛いぐらいに膨張し、締め付けから解放されたのを喜ぶように、天を向いて反り返っていた。こんなにそそり立った陰茎は、今まで見たことがない。  荒い息のまま、視界に映る陰茎に俺ではない手が近づいていくのを見ていた。やっと、この熱から解放される。そんな希望を宿した目で、その手が俺の根本に触れようとしたのを確認した瞬間だった。 「お、効いてるねー」  どこからともなく、戸田でも委員長でも、ましてや俺のものでもない声が、この場に響く。反射的に俺自身から手を離し、俺を隠すように態勢を変えながら、声が聞こえた方向に顔を向ける戸田。委員長は、既に声の人物を見付けたらしく、眉間に深く皺を刻みながら睨みつけていた。  熱のせいか、異常に分泌される涙で目が霞む中、俺も二人と同じ方向に視線を移すと、俺たちと同じような制服の人間たちが立っていた。 「おいテメェら、聖ちゃんに何しやがった」  もはや言葉を選んではいられないのだろう。戸田の荒々しい言葉が、重低音を伴ってびりびりと辺りの空気を揺らす。ぽろ、と目に留まっていた涙が零れ落ち、少しクリアになった視界が捉えたのは、俺たちと一緒に来た松下を筆頭に、勝手にバスに乗り込んできた奴らの姿。  中央にいる松下の左隣、その集団の中でも一際背の高い生徒が、印象の薄そうな顔を不快感を与える笑みに変えながら答えた。 「何って、ちょっとお薬飲んでもらっただけだし?」  先程聞こえた声と同じだ。声をかけてきたのはこいつらしい。 「バスでアンタら三人が爆睡してるときにちょろっとな。大人しく飲んでくれたよ」  今度は、松下の右隣にいる体格のいい生徒が口を開く。顔立ちがはっきりしていて、背の高い生徒とは全く顔が違うのにも関わらず、よく似た不快な表情を浮かべて笑い声をあげた。 「薬……!?」  驚きの声をあげた委員長に、その生徒がニヤリ、と口の端をあげながら続ける。 「ほら、気持ちいいことするときには必要だろ?」 「このクソヤロウ……っ!」  目に見えて分かるほどの怒りを顔に貼り付けた戸田の噛み締められた歯が、力を入れすぎているのか、ぎり、と掠れた音を鳴らしながらずれた。 「俺たち、藤原くんで遊ぼうって前々から準備してたんだよねー」  な、立原? と、背の高い生徒が、体格のいい生徒に声をかける。立原と呼ばれた生徒は、戸田の体に隠されていない俺の顔をじっと見つめて、舌舐めずりをしながら「ああ、そうだ」と答えた。 「山中、早くやっちゃってよ」  腕を組みながらとんとん、と指で腕を叩いていた松下が、苛立ったように背の高い生徒に向かってそう告げる。山中は、その言葉を受けて、立原とアイコンタクトをとり、俺たちの方へと向き直った。

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