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緩く陰茎を擦っているだけだった戸田の手が、突然亀頭を引っ掻いた。急激に高まる身体は、その刺激だけで一瞬頂点に達する。
「ああぁっ!」
背中を反らしながら痙攣する俺を見て、戸田が満足気に笑った。ちか、と目の前に光が何個か現れては消える。戸田に握られたままのそれは、未だ硬度を保ったままだ。
「あいつら瞬殺した聖ちゃんが、俺の腕ん中で喘いでるって……凄いね」
「や、めろ……殴るぞ……!」
「この状態で? イケなくしてもいいんだよ?」
そう言って、戸田は俺自身の根元をぎゅっと握り込む。快感よりも大きな痛みの波が、俺の口を開かせて呻き声を出させる。
「っや、いっ……」
「イケなくていいの?」
「っ……離せ!」
痛みで少し冴えた頭は、これ以上の刺激を拒否している。しかし、戸田はそれを許そうとはしない。
「無理」
「無理、じゃ、ひぁ……っ!」
無理じゃない、と言おうとした瞬間、シャツの上から乳首に歯を立てられた。その刺激を以て更に大きくなろうとする自身は、戸田の手によって締め付けられ、出すことを許されない。
快感に惚けたと思えば痛みで顔を歪ませる俺の反応が楽しいのか、戸田は乳首を舌で転がしたり、時々押し潰したりしながら、根本を縛り続ける。体の奥から熱が上がってきているのに、それを解放する出口がないという初めての状況に、気が狂いそうだった。
「やだ……っ、ひぁ、あ……ぁあっ」
「聖ちゃんのひくひくしてる。辛い?」
「辛い、からっ」
「そっか、……じゃあもっと狂うほど気持ちいいことしよ」
「なに、やめ……っ、んぁっ」
俺の後頭部を押さえていた手が、するすると下に降りて、先走りで滑った蕾の周辺を撫でた。
「前立腺って聞いたことある?」
聞き慣れない言葉に、まともに稼働しない脳は考えることもなく答えを返す。
「な、い……」
「保健の勉強ちゃんとしなきゃ。今から教えてあげるね」
「なに、を、ぁあ……っ!」
蕾を撫でていた指が、俺の先走りを使ってその中へと侵入してくる。感じ慣れない痛みと圧迫感に、戸田の肩に額をつけ、歯を食いしばった。
「力抜いて」
「っは……、む、り、うぁ、っ……!」
半分ほど入った指が、何かを探るように体内で動く。
痛い。苦しい。
俺は今、戸田に何をされているのか。分からない。戸田がこんなにも怖いのは、何故。
そう考えていた矢先、ある一点を引っかかれて、突然思考が吹っ飛んだ。
「あぁああっ!」
「……見つけた」
電撃のような感覚をもたらすそこを、戸田は執拗に弄り始める。
「や、そこ、やめっ、っうあぁ!」
「気持ちいいでしょ? これが前立腺だよ」
「おかしく、っなる、あああっ、んん……!」
「なっちゃいなよ」
前立腺と教えられたそこを戸田が触れる度、視界が点滅するほどの快感が全身を駆け巡る。
「いぁ、っ……、あ、ぁああ……!」
前は依然として戸田に塞き止められたままで、訳の分からない初めての感覚に恐怖を感じ、涙が溢れ出た。戸田の肩に顔を埋めながら、跳ねる身体を必死に抑えようと全身に力を入れるが、すぐに体内からの刺激によって抵抗は壊される。
「一回、空イキしようか」
耳元で囁かれた空イキという言葉の意味は分からなかったが、良くないことだと直感的に悟った。それが間違ってはいなかったことを、その直後に知ることになる。
「やっ、も……、い、きた、んん……っ」
縋るように肩口から顔をあげて懇願した言葉は、途中から戸田の唇に吸い込まれていく。
「……イケないけどイって」
そんな矛盾でしない言葉に言い返すことも出来ない。戸田の指の動きが、段々と速さを増していく。出口を止められているのに、どんどんと内側の熱が膨張していく。このままどうなってしまうのか、全く分からない。それが、何より怖かった。
「だめ、だめ、むり、ゃ、ぁああああっ!」
遂に、俺の中で何かが弾けた。
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