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第2話

 三年目は女好きだと言われ続けてしまった中学を卒業して、男子校に入学。女の子が居ないとこで大丈夫なのかとからかってきた中学での友人。そのほとんどは違う所に進み、連絡先は知ってるもののあまり話さなくなった。  しかし、隣には弓弦。  友人たちとの縁はほとんど切れたけど、幼馴染との腐れ縁はまだまだ切れそうになかった。  入学式が終わってクラスに戻り、HRが終わったあと。出席番号順に並んだ席の後ろはやっぱり弓弦だった。オレが鳴海で弓弦は新垣。頭文字の″な″と″に″で出席番号はいつも前後だ。  早速友達を作ろうと、右隣に話しかけてみる。  中学からのノリで話すと、テンション高いな、なんて言われたから似合ってるでしょー、と笑って見せる。 「バカなだけだろ」 「った、ひっどー!」  後ろにいた弓弦がぽす、とオレの頭を叩いてからさりげなく会話に入る。よろしく、なんて無愛想にいう弓弦はやっぱり少しだけ怖いのか森田は引き気味に返事をしていた。  弓弦は普段は笑わないし愛想もないから美形な顔が相まって冷たく感じるけど、笑えばその分綺麗で惹き付ける。それに、表情が硬いだけでやり取りは楽しいから多分きっとすぐ慣れるだろう。 「おっ、もりやんもう外部生とお友達?」 「しかもこのイケメンと!」 「ちょ、お前らっ」  他クラスの同級生か。近くの戸から入ってきた2人が、森田に寄りかかりながらちらちらとこちらをみている。  多分ここが一貫校だから高校から入ったオレらを外部生って呼んでるんだろう。 「どーも! 鳴海隼人っていうの、よろしく!」 「俺、新垣」 「もーちょい愛想良くしなよねぇ。弓弦くんだよー」  短く話す弓弦に呆れながら補足を入れれば、からかい交じりに君付けキモイ、と一言返ってくる。ちぇー、とわざとらしく声を出せば、目の前の2人がカラカラと笑った。 「俺、花崎愛都(まなと)。隣のクラスな!」 「僕は佐久間瑠衣! 愛都と同じクラスね。えーっと、2人は同中なの?」  花崎に佐久間。苗字を頭の中で繰り返してから弓弦をちらりと確認してみる。が、喋る様子がなかったからオレが話す。 「同中だし、幼馴染。家が近いんだぁ」 「へー!」 「幼馴染か、高校まで一緒とか凄いな」 「でしょー」 「お前ら、重いっ!」  ゆっくり話してると、さっきまで押しつぶされてた森田が体を起こし、花崎と佐久間がその勢いに負けてうわっ、と後ろに下がった。 「わ、森田力持ち!」 「っ、鳴海も止めてくれよ......」 「んー、話してたから、つい?」  にへ、と笑って誤魔化そうとするもあえなく失敗。苦笑しながらこの野郎、とからかい半分に腿を叩かれた。 「酷いなぁー」 「酷いのはどっちだよ。ったく......」

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