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第4話 微*

 胸に顔を埋めた間島は、三木の胸に鼻先を擦りつけた。 「ママ……いい匂い」 「ふふっ、まー君ったら。くすぐったいよ……っ」 「吸っていい?」 「まー君? その前に、言うことあるでしょ?」  三木の左胸に顔を寄せていた間島が、顔を上げる。  自分のことを愛おし気に見つめる三木を見上げて、間島は小さな声で呟いた。 「……いただきます?」 「はい、よくできました」  頭を撫でられた間島が、小さく笑みを浮かべる。そしてまた、三木の胸に顔を埋めた。  ──そして間島が、三木の胸に舌を這わせる。 「……んっ」  肩が小さく跳ね、三木が吐息を漏らす。  それに気付いていないのか、あるいは気付いているけれど反応しないだけなのか……間島は構わず、三木の胸を舐めた。  細身ながらも鍛えられた三木の体は、貧相だと一蹴できるような体躯じゃない。  それゆえに、女性のような膨らみではないけれど、若干の筋肉によって胸が膨らんでいる。 「ちょ、っと……まー君、や……っ」  膨らみを舐め、右胸を大きな手のひらで包む間島の頭を見つめて、三木が声を漏らす。  当然、間島はなんの反応も示さない。  てっきり胸の突起にしゃぶりつかれると思っていた三木は、間島の行動に戸惑いを隠せなかった。 「そ、そんなところ舐めて……た、楽しい?」 「うん」 「そ、そう。楽しい、んだ……っ?」  右胸を揉みながら、間島は三木の左胸を舐め続ける。  間島がそれで満足なら、三木だって嬉しい。間島の喜びが、三木の喜びだからだ。  ──しかし、核心的なところを舐めてほしいという気持ちも、三木には欠片ばかりではあるが、あった。 「まっ、まー君……っ。ママは、そこだけじゃなくて……っ」  顔を赤くして、三木は間島を見つめる。  名前を呼ばれた間島は顔を上げ、潤んだ瞳で自分を見つめる三木を眺めた。 「……ママ?」 「っ、あ、あのね……その、っ」  右胸に手を触れたまま、前髪の隙間から間島と目が合う。  キョトンとした間島の瞳がやけに恥ずかしくて、三木は視線を逸らす。  そのまま……蚊の鳴くような声で、三木が呟く。 「──そ、そこからじゃ……おっぱい、出ないと……思う、な」  それは、三木ができる最大限の誘導だ。  暫く無言で三木を見ていた間島が、右胸を触っていた手を動かす。素直な三木は小さく跳ねるが、間島はそんなことどうだって良かった。  ──間島はそれよりも、手のひらに当たる違和感の方が重要だったのだから。 「ママ……乳首、たってる」 「っ!」  間島に対して抱く期待が体に表れていると指摘された三木は、顔をさらに赤くさせた。

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