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幼き誓い 16
僕の異母兄弟……海里。
君だけが……僕を家族として受け入れてくれた。
僕の母は海里の家の女中で、僕は不義の末の子だ。
だから家の中で……ずっと疎まれる存在だった。
日陰の存在だった。
当然だが……日本でも有名なホテルグループを経営する大富豪の跡継ぎの一員には到底なれるはずもなく、成人後は執事として使用人として生きることを強要された。
英国へも無理やり修行に行かされ、今度は無理やり戻された。
僕と海里は同い年だ。
海里だけが、僕を対等に扱ってくれた。
だから僕は海里を全面的に信頼している。
「馬鹿、またそんな顔して。助けてやろうな……俺たちでこの小さな天使を」
「あぁ」
海里が優しく僕の肩を抱いてくれた。
半分血の繋がった兄の温もりに感謝した。
「お前……これで……ますますアーサーの所に行けなくなったな」
「いいんだ……もうそれは言うな。僕は……今、僕がすべきことを……全うしたい」
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