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庭師テツの番外編 鎮守の森 44
お願いだ、どうか中にいてくれ!
強い願いを込めて、扉をガチャリと開いた。
すると眩い朝日が降り注ぐ窓辺に、桂人がいた。
見たこともない滑らかで光沢のあるローブ(ガウン)だけを纏っていた。
ほっそりとした肢体。
躰のラインが如実に分かり、ドキリとした。
更に驚いたのは、桂人の美貌がいつもよりずっと際立っていたことだ。
桂人と無事に再会できたことを、怒ったらいいのか喜んだらいいのか、頭の中がパニックを起こしていた。
「テ……テツさん……」
彼の唇が俺に助けを求めるように言葉を紡いだ時、理性が吹っ飛んでしまった。
「桂人! お前って奴は」
俺は本能的な行動に走った。
桂人の唇をいきなり奪い、彼の背後にあったベッドへと押し倒していた。
唇の皮膜から彼が生きている生命の温度を感じられ、安堵した。だがすぐに、もっと深く桂人が欲しくなった。
口腔内を舌で弄ってやると、桂人は小さく震えた。
生きていてくれた!
それが嬉しくて目頭がじわっと熱くなる。15歳で庭師になってから、こんなにも人に対して熱い気持ちを抱いたことはなかった。
桂人の小さな頭を両手でしっかり固定して、口づけを重ね続けた。やがて我に返った桂人が小さな抵抗を始めたが、俺は全身で封じ込めてしまった。
「テ、テツさん!」
「桂人っ……心配した。探していたんだ! ずっとお前のことを」
「あっ……離せっ! 離せよ」
「駄目だ!」
もう絶対に離さない。離したくない!
お前は俺のモノ……その証が欲しい!
彼があまりに苦しそうに呻いたので、身を起こすと、桂人が寂し気に俺の首に手を回し……切願した。
「い……いやだ……離れるな」
桂人の着ていたローブは乱れ、白い胸の淡い色の小さな粒が露わになっていてた。象牙色の滑らかな素肌に欲情してしまった。このまま襲い掛かりたい衝動に駆られていると、桂人が更に切ない一言を発した。
「おれ……逝きたくないっ」
その言葉にハッとし、彼の抱えている事の重大さを悟った。
「ずっとテツさんの傍にいたい……こんなの変か……」
続く言葉に、彼からの愛と彼への愛を確信した。
だから俺が調べたこと、知ったことを手短に話し、最後に迷うことなく告白してしまった。
「桂人、俺はお前が好きだ。気付いたら自然に愛していた」
桂人はもう……逃げない。
俺の告白を、全身で受け止めてくれた。
彼は身体の力をふっと抜いて、俺を受け入れると全身で示してくれ……薄いローブは彼の躰のラインに沿って静かに下に流れ落ちていった。
彼の裸体は湯船で見た時よりも、更に壮絶な色気を醸し出していた。
同時に桂の香りが部屋に充満する。
甘い……甘い香りだ。
俺を誘っている。
深い場所へと……
俺を呼んでいる。
「桂人……本当にいいのか」
「テツさんが、いい。あなたとなら……怖くない! 」
タカが外れた。
「もう俺を止められないぞ……本当にいいんだな」
「いい」
その言葉を最後に、俺は桂人の胸の尖りに唇を這わした。
全身を愛撫しまくって、生きている実感を感じさせてやりたい。
深く……深く挿入し、俺で貫いて、どこにも行かせない!
雄一郎さんが呼んでも、絶対に!
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