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第13話

 はぁ~、と隼人は溜息をついてにやにや笑った。 「そんな風に言ってもらえたのって、生まれて初めてだぜ」 「大げさだな」 「やっぱ、アレだな。伸は顔がいいだけじゃなくって、性格もイイな!」  さすがは俺が惚れただけのことはある、と隼人は変な所にまで感心している。 「そんな事より、もう屋内へ入ろうよ。屋上は暑いよ」 「こっち、来いよ。影がある」  隼人がさっさと貯水タンクの方へ行ってしまう。  溜息をついて伸も後に続くと、突然抱きつかれた。

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