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第15話
「眼を閉じて」
「はい」
眼を閉じると同時に、柔らかく温かい感触が圭の唇に降りてきた。
思わず眼を開いたが、構わず隼の唇は圭をついばんでくる。
見ると、隼の眼は軽く閉じられている。
やっぱり眼を閉じなきゃいけないんだな、と圭も再び瞼を閉じた。
重ねるだけでなく、隼の舌が伸びて圭の唇を舐めてきた。
初めは唇の外側を舐めていたが、やがてそれは内側にまで入り込んできて、しまいには歯をつつきだした。
(そういえば、喉を消毒するんだったっけ)
圭が閉じていた唇を開くと、思ったとおり隼の舌は咥内へ忍び込んできた。
「……ん、ふッ。ぅうん、あッ……」
舌を絡められ擦り付けられると、圭は息を継ぐたびに小さな声を上げた。
自分でも解からないが、こんな変な声が出てしまうのだ。
ちゅく、ちゅく、と濡れた音が立ち、圭の口の中も頭の中も、すっかり隼に支配されていた。
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