15 / 28

第15話

「眼を閉じて」 「はい」  眼を閉じると同時に、柔らかく温かい感触が圭の唇に降りてきた。  思わず眼を開いたが、構わず隼の唇は圭をついばんでくる。  見ると、隼の眼は軽く閉じられている。  やっぱり眼を閉じなきゃいけないんだな、と圭も再び瞼を閉じた。  重ねるだけでなく、隼の舌が伸びて圭の唇を舐めてきた。  初めは唇の外側を舐めていたが、やがてそれは内側にまで入り込んできて、しまいには歯をつつきだした。 (そういえば、喉を消毒するんだったっけ)  圭が閉じていた唇を開くと、思ったとおり隼の舌は咥内へ忍び込んできた。 「……ん、ふッ。ぅうん、あッ……」  舌を絡められ擦り付けられると、圭は息を継ぐたびに小さな声を上げた。  自分でも解からないが、こんな変な声が出てしまうのだ。  ちゅく、ちゅく、と濡れた音が立ち、圭の口の中も頭の中も、すっかり隼に支配されていた。

ともだちにシェアしよう!