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第69 丸薬の一夜 19 ※
「どうした?動かないのか?」
ギガイが呆然としているレフラの身体を揺すぶった。急激に屹立を含まされた内壁は、あまりの刺激に戦いている。そんな刺激に馴染む前の敏感な内壁をぐりぐりと抉るように揺すられて、レフラの双眼から涙が散った。
「やあぁぁ…やめてっ、やめてくださいっ……いや、あぁぁーー!!」
「入れて満足ではないだろう?休んでいないでさっさと動かなければ、いつまで経っても疼いたままだぞ」
まだ仕置きは終わりではないのだ。その言葉でギガイの告げた仕置きの内容をようやく悟る。血の気が引く思いがして、レフラがいやいやと首を振った。
そんなレフラに痺れを切らしたのか。いつまでもぐずぐずしているレフラの尻臀をギガイの掌がパンッと叩いた。
痛めつける事を目的としていない掌の打撃は、音だけがやたら大きく響く。性交の中ではほとんどスパイス程度の役割にすぎない痛みだった。だがこういった行為に対して知識のないレフラには打たれた事実だけでも追い詰められるには十分だった。
「やっ…いやですっ!!打たない、でぇぇ、やぁっ!!!……っ!!」
「それなら早く動くと良い」
立て続けに平手で打たれる刺激が、ギガイのモノを銜え込んだ内側へも響いてくる。打たれた肌に広がるジンジンとした熱を持った痛みと。ぐりぐりと抉られる感覚から逃れるように、レフラが震える脚に力を込めた。
ぐちゅっ。粘り気のある水音が漏れる。抜いた分だけギガイのモノが熱く熟れた柔壁を刺激する。それだけで身体から力が抜けて、せっかく引き上げた身体が自重でズルリと引き戻された。何度も何度も試みても、すぐにへたり込んでしまう状況は、満足な律動には到底及ばない。
「もう、無理です…」
否応なしに浅い挿入を何度も繰り返す事となった身体は、もうこれ以上は動けなかった。頭上から降り注ぐ視線を感じながら、レフラがギガイの胸元に顔を伏せた。色々な体液で汚れた顔や身体は、あまりにみすぼらしいはずだ。少しでもその目から隠れたくて、ひっくひっくと嗚咽を上げながらレフラは出来るだけ縮こまった。
「これは仕置きだったはずだが」
ギガイの呆れたような声音に続いて聞こえた溜息。まだ終わりを許してもらえないのだと、レフラは絶望に目を見開いた。
ぼたぼたと涙が落ちていく。もうどれぐらい泣いたのか分からない。ずっとずっと零れているはずなのに、一向に枯れない涙が不思議だった。
やらなければ終われないのに、身体はろくに動かないのだ。許しはいつまでも与えて貰えない。終わりが見えない苦しみに、レフラの心は擦れてボロボロに成っていった。
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