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第125 静寂の宮 14 ※
「だが抱いて良いと言うならば抱いてしまうが、お前はもう大丈夫か?それともやっぱり今日はもう止めておくか?我慢出来ないほどに青臭くはないからな」
紅くなった頬に掌が添えられる。親指の腹で泣き腫れた眦を擦りながら苦笑したギガイの手をレフラが反対に包み込んだ。
その掌にキスをして、伏し目がちにギガイの顔を見つめ返す。
「…したいです…でも、これからも少しずつ頑張るので、手加減をして下さい……」
「っお前は…!手加減をして欲しいなら、煽るな…!」
もう一度大きく溜息を吐いたギガイが自分の頭をクシャクシャと掻く。
「手加減はしてやるがどうしても今みたいに辛かったらそう言え。だがただ気持ち良すぎて辛い時は別だ」
「…ど、どうしてですか?」
「言っただろ。私なしでは居られないほど疼く身体になれ、と」
「そんな…」
「とりあえず少しずつだ。それに終われば約束した通りちゃんと優しくしてやる。出来るだろ?」
その言葉は目の前にぶら下げられた褒美のようだった。
「…頑張ります」
「良い子だ」
ギガイがレフラの額にキスを落として、もう一度胸に手を伸ばす。最初のように服の上からカリカリと引っ掻かれ始めた刺激にレフラの目が見開かれた。
「ギガイ様、まさかそこからやり直すのですか?」
「あぁ、そのつもりだが」
「も、もう大丈夫です!!お願いです、後を触って下さい、お願いします!」
「欲しくてそれ以外に考えきれなくなった時に入れてやると言っただろ?」
「でも、でも手加減してくれるって言いました!それに今日はその分は、もう頑張りました…だから……」
うるうると涙が盛り上がった目で見つめれば、ギガイがまた少し息を飲む。小さく「はぁ」とまた吐き出された溜息は本格的にレフラのワガママに呆れてきているのかもしれなかった。
「…ワガママを言って…申し訳ございません…」
「あー違う。そうじゃない。お前のその顔が厄介なだけだ。押し通すことも出来なくなるのに、煽ってくる…とりあえず胸は分かったから、後は耐えろ…」
引き寄せたギガイの指がようやくレフラの服を剥ぎ取っていく。そのまま後孔に指を当てられれば、焦らされた窄みはすっかり解けて口を開閉する状態だった。
そのまま捻じ込まれた指を貪欲に、柔壁が奥へと取り込むように蠢いた。それなのに挿し込まれた指が弄うのは、再び最奥を疼かせるだけの入口や浅い隘路がせいぜいなのだから堪らない。
「…やぁ、あぁぁ、おくっ、ぁあ、おくにっ、くだ、さいっ…あぁ…」
時折痼りを掠める指が何度も絶頂感をもたらしていた。それなのにイクには刺激が足りなくて、いつまでもレフラは解放も終わりも迎える事を許されなかった。
何度も繰り返した懇願に応じて、ようやくギガイの屹立が宛がわれた時には、ギガイが始めに告げていた通り、レフラは挿入を求める言葉を紡ぐだけしか出来ずにいた。
熱い塊に穿たれれば、それだけで目の前が白く点滅する。後は何も分からなかった。ただ熱を最奥に感じた瞬間、レフラの意識は沈むように闇の中に消えていった。
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