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第151 揺れる足元 4 ※

「あぁ!やっ、ああっ、あぁッ!!」 誰かに聞こえるかもしれないのに。 声を堪えるには与えられた快感があまりに強すぎて、レフラの口から漏れた嬌声はひときわ高く甘かった。 その瞬間、根元を戒めていたギガイの指が外される。 「イッちゃ、う、あぁぁっ!!あっ!あーーッ!」 出したくて堪らなかった熱が茎の中を駆け上がり、目の前が一瞬で白くなる。イッたのだとレフラ自身が認識する前に、力が抜けた身体はグラッと大きく体勢を崩した。 「おっと」 すかさずレフラの身体を受け止めて、ギガイが腕に抱え直して胡坐をかいた。 膝の上でハァハァと荒い呼吸を整えているレフラの頭やこめかみにギガイのキスが落ちてくる。 「…ギ、ガイさま…」 優しく触れられる心地良さと、もしかしたらという不安がせめぎ合うようにレフラの心に広がっていた。キスに促されるように顔を上げてギガイの名前を呼んだ声も、そんな感情がにじみ出てしまっていた。 「どうした?」 レフラの髪を整えていたギガイの手をレフラがキュッと握り込み、温もりに甘えるように頬を掌へ押し当てる。 「……イッちゃって、ごめんなさい…」 口に出すのはいたたまれなくて、上手く舌が回らなかった。でもまだ堪えろと言われた状況で、許可を得られないままイッてしまったことがレフラを不安にさせていた。 「で、でも頑張ったんです……」 ギガイの目が大きくなり、ハァとなぜだか大きく溜息を吐き出されてしまう。でももともとイけないように戒められていたとはいえ、そのつらさを堪えていたのは本当だった。だから。 「……意地悪は、もう、イヤです…」 上手く相手を務めきれていないようで、情けない気持ちになりながらも、レフラはギガイを窺い見た。 見つめ返すギガイの瞳はどこか苦々しく感じているように見えて、レフラは気落ちしてしまう。 「…でも、約束なので…頑張るよう仰るなら…頑張ります……」 それでもこれ以上弄くられてしまえば、きっとひどく乱れてしまうだろうから。 こんな場所で及んでいることや、この後に誰かと会うことを考えると、どうしてよいのか分からずにレフラはギガイの胸に顔を埋めた。 「お前は本当に無自覚に……」 頭上からまた大きな溜息と呆れたような声が聞こえてくる。 「えっ?無自覚に何ですか?」 気が付かない内に何かやらかしてしまったのか、緊張に一瞬鼓動が大きく跳ねた。だがギガイの纏う空気は思った以上に柔らかかった。 不興を買った様子もなく。レフラが初めに心配したような淫靡さも意地悪さもない雰囲気は、レフラをホッと安心させた。 「本人の質か、それとも私がそうさせたのか…?」 ぶつぶつと呟くギガイが何を言っているのか分からずに、キョトンと見上げたレフラの頭を苦笑したギガイがクシャッと撫でた。

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