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第64 目に映る唯一 5 ※

(まだ、これからなのに……) 痴態を晒す行為も、痼りへ立て続けに刺激を受けることも、乳首と一緒に弄ることも、苦手なことばかりなのだ。 それらの全てを自分自身で行わなくてはいけなかったのだから。 ギガイの手によって淫虐のように与えられた時よりも、ますますレフラを疲れさせていた。 それでも髪を梳かれながら、もたれるままに休息を得られていた身体は多少は回復したようだった。 (でも……もう少し、こうしていたい……) そもそもあの道具が何なのかも、分かっていないのだから。どうしても再開することに不安になる。だけど、快感に苛まれたレフラの身体を、下手をすればレフラ以上に把握しているギガイなのだ。 「そろそろ良いだろう。次はコレを入れてみろ」 落ち着いてきたことも筒抜けだった。 さっき渡された道具を改めて握らされて、挿入を促されてしまう。 身体を優しく包みながらも、重なった眼は『早くしろ』と訴えていて、撤回してくれるような様子はなかった。 レフラはゴクッと唾を飲み込んで、受け取った道具をそっと後孔へ押し当てる。解けた窄みがはくはくと、宛がわれた物を咥え込もうとする様は、まるで浅ましく強請るような動きで居たたまれない。あまりの恥ずかしさに息が詰まり、レフラの喉がヒュッと鳴る。 つぷっーーー。 そんな感触と一緒に、道具の一部が身体の中に飲み込まれた。 指ともギガイのモノとも違う固い感触。 日頃さんざん貫かれている剛直と比べれば、よほど細い道具なのに。異物感は今までに含んだ何よりも酷かった。身体が思わずブルッと震える。 呼吸をどうにか整えながら、そのまま押し込む手に力を込める。そうすれば、ツルンとした道具は簡単にレフラの中に収まった。 「ギガイさま、これ……」 自然に当たっている場所が場所だった。イヤな予感に、レフラが目を見開いて、ギガイの方を仰ぎ見る。 「……ま、まって、やだっ! なん、で、うご、いてま、す……ッ!」 「もう感じているのか、さっきまでの名残のせいか早いな」 ギガイの言葉通り、道具はさっきまでさんざん指で揉み込んでいた痼りを刺激し始めていた。 あれだけガマンをしたばかりなのだから。痼りもまだ腫れたまま、きっと存在を主張しているのだろう。 「そこ、ダメで、すっ! そこ、は……だめ、だ、めっ……!」 トントンと道具が痼りを何度も叩いていた。 道具を後ろに咥え込んだままの身体を、ギガイが抱え直す。 「あぁッ!! あっ、あぁっ、あ、ぁぁ……」 レフラの身体が、深くクッションへもたれ直したギガイの上に引き上げられる。それだけでも、また痺れるような刺激が走っていく。 「っああっ! やだ、うしろ……うご、かさな、いでぇぇ……!」 ギガイのローブの襟を握り締めて、|開《はだ》けた胸に顔を埋めた。グリグリと顔を押し当てながら身悶える。ギガイの手は、そんなレフラの頭を愛おしそうに撫でながら、反対の手で身体を優しく抱え込んだ。

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