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第66 目に映る唯一 7 ※

「……さぁ、何だろうな」 クツクツとギガイが笑い始める。目を蜂蜜色に蕩けさせたまま、口元にはハッキリと意地悪そうな笑みがあった。 「……やっ、やああっ、な、に……んんっ……。やだっ、あぁ、なに……っ!」 イキたくて、イキたくて。 それなのに、言葉に含まれた何かが不安で、イクにイケなくて。 「んんっ! ……おね、がい……です……っん。……おしえてっ、なに……っ!」 レフラは必死に堪えながら、喘ぎ混じりにギガイに何度も尋ね続けた。 「なかなか、頑張るな。だが知ったところで、結局は同じだろう?」 言葉と共にグイッと身体を引き起こされて、片膝を立てて脚を開いたギガイの前に、力の入らない身体を膝立たされる。 「あぁっ! やあぁぁっ! イクっ、イッちゃう!」 一際ギュッと閉まった後孔が道具を強く締め付けた。そのせいで膨れ上がった痼りを強く抉られる。 頭へ貫くような快感が駆け抜け、呼吸さえも止まってしまう。強張る身体のまま|収斂《しゅうれん》した|隧道《すいどう》が、咥えたままの道具を痛いぐらいに締め付けた。 「あぁ!やっ、ああっ、あぁッ!!」 ビクッ、ビクッ、と。レフラは何度も身体を跳ね上げた。それなのに、添えられたギガイの掌は、崩れ落ちることさえ許してくれない。 自由になれない体勢で、上手く力を抜くこともできないまま。引き攣ったように息を吸う。 「ちゃんと息を吐き出せ。ほら、深呼吸してみろ」 軽く頬を叩かれて、飛びかけていた意識を引き戻される。 「やぁぁ、あぁぁ! もう……っ、だめ、イッてる、イッてるからぁぁぁ!!」 開いた口が閉じきれない。快感に喘ぎ続ける口から涎がみっともなく垂れていく。イッたせいでますます締まった後孔が、さらに強い快感を生んできて、レフラはギガイの身体にしがみついた。 「やだぁぁ、また、イッちゃう……あぁっ! また、イッちゃい、ます……ぁああッ!」 「だから、もう始めても “ 大丈夫か? ” と聞いただろう? お前がイッた時からが、始まりだからな」 聞こえてきた言葉の意味を、飛びそうな頭で必死に考える。今さらギガイの意図を知ったところで遅かった。 「さて、どれぐらい保つかな」 道具に翻弄されながらも、その言葉にギガイへ縋りつくような目を向ける。 「……」 ギガイはそんなレフラへ、優しい笑みを小さく浮かべて、レフラの頬をひと撫でした。 「やだぁ、やっ、です! ギガイ、さま……おねが、い、やだぁぁっ……! あぁぁっ!」 連続で迎えさせられる絶頂は、レフラの快感の許容値をとうに超えている。何度も何度もイキながらも、吐き出せない茎は、痛いぐらいに固かった。 「……ぎが、い……さま……ッ! おねが、い……もう、も……う、やぁ……」 そこからもうどれぐらい、経ったのか。ギガイへもたれかかった身体は、もう力は全く入ってなかった。それでも反射的に締め付けてしまう肉の縁が、いまだに痼りへの責め苦から解放してくれなかった。

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