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第67 目に映る唯一 8 ※
「……ふっうぅ……ぁぁ、っぅ、ふぅぅ……」
喘ぎ声を上げることさえ、ろくにできなくなったレフラの頭をギガイの掌が撫でていく。
「辛かったら、あの言葉を使って良いぞ」
「……や、だ……ぁぁぁ。いやっ……です……っ」
ギガイだって色々と堪えてくれているから。レフラも、自分だって頑張る、と約束したはずだった。
「いや、なのか? そう言えば、さっきから “いやだ” とは告げても、止めて欲しいとは言わないな」
「……っ、だって……やく、そく……しました……あぁっ……」
「別にお前が制止を求めても、 “お前が言ったことだ” と、そう言って咎めたりはしないぞ?」
快感に飲み込まれている頭では、確信はないけれど。そう言ったギガイの声が、自嘲染みて聞こえた気がした。
「……ちが、い、ます……やくそく……っ、わた、しも……」
上手く説明なんてできないまま、後の言葉が喘ぎ声に掻き消される。でもそんな拙い言葉でギガイには伝わったようだった。
「そうか。なら道具はここまでにしてやろう」
ギガイの指が顔に張り付いた髪を払い、掌が汗や涙を拭っていく。
「後は私自身に付き合ってもらう予定だが」
言葉の直後に後ろへ回り込んだギガイの指が、ズルッと中から道具を引き抜いた。その摩擦だけでも、すっかり熱を持って敏感になった柔壁へは、十分すぎる刺激になる。身体を仰け反らせながら、レフラは大きな嬌声を上げた。
「止めるなら最後のチャンスだぞ、この後は言葉も紡げなくなるだろうからな」
物欲しそうに口を開く後孔に、ギガイの屹立が押し当てられる。さっきでさえ、ギガイの掌に支えられて、ようやく立っていた。
すでにガタガタと力が入らない脚なのだから。レフラの身体を持ち上げられる手を離されてしまえば、自重で沈み込むのは確実だった。
「まっ、まって、まっ、てください……っ!!」
「じゃあ、10秒だけ待ってやる」
「そう、じゃ、なくて!」
「きゅう、はち、なな……」
「ギガイ、さま、やだ、まって……ッ!」
「おねが、い、です、ゆっ、くり……!」
「ご、よん……」
「いっきに、いれちゃ、だめッ!」
「さん、にい……」
「せ、せめてっ!」
「いち、ぜろ」
「ようふく、ぬい、で……あぁぁぁ、ひっあぁ!!」
ギガイの声がゼロを告げたタイミングと、レフラの懇願と嬌声と。全てが重なり合ったような状況で、どれが最も音になっていただろう。
「ひッ、あーーッ!!あぁ、っあ…あぁ…ぁ……」
さっきまでとは桁が違う熱と質量が、レフラの身体を貫いている。もうさんざん受け入れてきたモノなのだから。ここまで解れた状態な上に、ギガイが意地悪の中でレフラを傷付けるようなことはない。
分かってはいるけれど、一気に突き刺されたその剛直に大きく開いた目から、また涙がボタボタと零れ落ちた。
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