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第103 共鳴の鈴 3

リン……。 ギガイが軽く振った手の動きに合わせて、微かに鈴の音が聞こえてくる。 聞き覚えのあるようだが、だいぶ小さく、複数の鈴が立て続けに鳴る音は記憶にはなかった。 「それは?」 「足を出してみろ」 問いへは答えないまま、大きく開いたままのレフラの足を、ギガイが強引に、でも優しい力で引き寄せた。 呆気にとられたままのレフラの足へ、ギガイがそれをカシャンとはめる。 「アンクレットですか?」 レフラの足首を飾るそれは、見るだけでだいぶ値が張ることが伝わってくる装飾だった。繊細な銀細工に、所々に埋め込まれた青色の宝玉。その下縁を取り巻くように鈴が垂れて、動きに合わせて可憐な音を立てていた。 (音が鳴らないように、ジッとしていろ、という事なんでしょうか?) 確かにこれなら、大人しくしてさえいれば、何の影響もないだろう。でも、こうやって服を脱いで、下半身を晒していたことと、それがどう繋がるのかが、分からなかった。 (今の行為も、温情だったと言ってましたし……) レフラは足を引き寄せて、指先でアンクレットの鈴を弾いて鳴らしてみる。また聞こえた「リン」という音は、やっぱり聞き覚えがあるようだった。 「こら、勝手に足を閉じるな。これでは着けられないだろう」 「えっ?」 言葉と一緒に軽くピシャッと太股が叩かれる。 「やっ、叩かないでくださいーーーッ!」 痛みは大して感じなかった。ただ、やたら大きく響いた音に、レフラの身体が途端に跳ねる。慌てて足を開いたレフラの太股を、今度はギガイの掌が宥めるように撫でてきた。 「仕置きの途中だ。このまま、ちゃんと開いていろ」 分かったな、と擦る掌は、一見すれば癒やす飴のようだった。でも仕置きの最中には、レフラの答えによっては、すぐに罰を与える鞭になる。 「はい……」 身をもって知っているレフラは、コクッと唾を飲み込んで、ギガイの言葉へ素直に頷いた。 ギガイがレフラの頬をサラッとひと撫でして、わずかに身を屈める。思わず追いかけた視線の先で、ギガイの指に持ち上げられた茎に、レフラはカッと頬を染めた。 精を吐き出したばかりの茎は、力なく項垂れている。先端の粘膜ならともかく、いったんイッて熱の冷めた茎は、刺激へだいぶ鈍くなっていた。 ギガイも特に、レフラの茎を弄うつもりは、ないのだろう。支えるように持ち上げたまま、いつものように動き出す様子は、全くなかった。 「何を、するんですか……?」 カチッーー。 問いかけた言葉とほとんど同時のタイミングだった。レフラの茎の根元が締め付けられ、小さなロック音が聞こえてくる。 「えっ! 何ですか!?」 茎の根元にはめられた幅太のリング。それは見た目だけは、アンクレットと同じような、繊細な銀細工だった。ただ青色の宝玉の代わりに埋め込まれた石が違っている。 自分の股間にはめられた物を凝視するのは恥ずかしい。でも、どこかで見覚えがある石が気になって、最近の日々を辿ってみる。その中に、呆気なく答えを見つけ出したレフラは、信じられない、と引き攣る表情をギガイへ向けた。 「ギガイ様、これって共鳴石ですか……」 「あぁ、気が付いたか」 「やっぱり! お願いです、取って下さい!!」 できるだけ、足の鈴を鳴らさないように、ギガイの身体へとしがみ付いた。チリン。その動きだけでも、どうしても鳴ってしまう鈴に共鳴して、茎にはめられたリングの石が震え出す。 「やだっ、 止めて! ギガイ様、石を止めて下さい!」 「この石の振動は、勝手に止まるまで放っておくしかない。諦めろ」 「そ、そんな……!」 「ほら、また動けば、その分だけ長くなるぞ」 ギガイへ縋ろうとするレフラの身体を、ギガイの掌が押し止めた。そのまま告げられたあまりの内容に、思わずレフラは絶句した。

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