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第一章・9
そんな出会いを振り返りながら、衛は温室へ入った。
初めてここに立ち入った日も、こんな風に穏やかな晴れの日だったっけ。
季節は巡り、また春を迎えつつある温室は暖かく、水と緑の香りに満ちていた。
色とりどりのランに、大きく育ったヤシ類。
斑入り葉が美しいジンジャーやドラセナの仲間に、葉の形の面白いサトイモ科の植物たち。
どれも衛が3年もの間、手塩にかけて育て上げた温室の住人たちだ。
いや、俺だけの力では、とてもここまで美しく育たなかっただろう、と思う。
優秀なアシスタントのおかげだ。
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