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第一章・12

 だが、それもあとわずか。  衛との出会いから、3年。  3年生になった陽は、もう卒業しなければならないのだ。  衛と会えなくなってしまうのだ。  それが嫌で、捻たふりをしては、わざと欠席を続けたり、拗ねたふりをしては、わざと単位を落としたりした。  それでも、あとギリギリのところで衛が現れるのだ。  喚き散らす陽を小脇に抱えて、教室まで無理やり運び込んだり、他の教師が授業をする中、隣の席で見張っていたり。  そんなこんなで、ようやく卒業までこじつけた陽。  他の教師たちは、秋月先生に感謝すべきだと諭したが、今日も彼は不機嫌だった。

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